80年代の話です
戦後の高度成長期を通して
最新の技術で均質な空間を作ることこそが
正義とばかりに動いていた時代がありました
その最先端を走られていた
日本設計の池田武邦先生は
ある冬の日に仕事場である高層ビルから
外に出た時に雪が降っていて
「はっ!」としたらしいです
人工的に機械的にコントロールした
環境で年中快適に過ごせることが
いいと思っていたのに、
この冬の日に雪が降っていたことも
気づかなかったことに衝撃を受けたそうです
そのことがきっかけでイケイケドンドンな
バブル真っ只中にこれからの建築や
都市の在り方に異を唱え、21世紀の
環境のあり方を提示されました。
その一つが、長崎にあるハウステンボスです
![](https://i0.wp.com/shimconoie.com/wp-content/uploads/2024/05/26796472_m-edited.jpg?resize=728%2C409&ssl=1)
ハウステンボスといえば一時期経営が
危ぶまれたりしていましたが、
街などは一世紀ほど経たないと
その評価はできません
でもきっと試金石として
大きな意義ある一歩だったと思います
さてさて、おかしなことに
今頃、今更ながら日本の住宅は
人工環境を突き進もうとしています
断熱気密をあげて室内環境を
機械的にコントロールしてと
果たして、80年代に最先端建築界で
大きな壁にぶつかったにも関わらず、
「右へ倣え」をしていいのでしょうか?
素直に長崎の気候に
合っているとはいえません
もちろん断熱気密はエネルギーロスの観点から大切です
でもシムコノイエはそこに
狂信的ではありません
せめて呼吸する室内環境が答え
もちろん断熱気密をあげる仕事をします
しかし、絶対にそれが絶対とは思いません
古い家には古い家の物差しがあります
その良さをハイブリッドで活かすこともあります
![](https://i0.wp.com/shimconoie.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_6765-edited.jpg?resize=728%2C410&ssl=1)
機械的にコントロールする中にも、
より自然に近い形をとシムコノイエは考え
自然素材で仕上げるカタチを大切にしています
せめてちゃんと呼吸して、
湿気がある時は床や壁が湿気を吸収して、
乾燥している時には水分を放出してくれて
調整してくれる優れもの
昔から日本で使われていた木材や漆喰たち
数千年の実績がある素材だからこそ
今もまだ使われています
最後に残るのは、
工場で大量生産された材料ではなく
そんな自然の素材しか持続可能にはなりませんしね
今日のセミナーで改めて思いました
さて、今日は雨でしたが
シムコノイエのスタジオはカラッとして
肌触りもサラサラしていました
今日はセミナーをしながら
改めてそんなことをしゃべりつつ
せっかくなのでここでシェアしたいと思います
長崎は環境にも縁のある土地柄です
素敵な暮らしがもっと長崎から
広まっていきますように
良い1日をお過ごしください