この家は、人間だけのために建てていません

この土地は、
造成によって
一度大きく形を変えています。

コンクリート。
アスファルト。
まっさらに整えられた地面。

以前ここにあった風景の記憶は、
もうほとんど残っていません。

 

でも、
だからこそ
考えました。

ここを、
人間だけのための場所として、
もう一度埋め尽くしてしまっていいのだろうか、、、と。

 

この家は、
地面から少し距離を取っています。

風が通り、
光が抜け、
湿気が滞留しにくい。

床下は、
ただ隠すための空間ではなく、
空気や自然が静かに通り抜ける余白になっています。

 

もちろん、
人が快適に暮らすことは大切です。

でも、
人間だけが快適であればいい、
とも思っていません。

土。
風。
雨。
虫。
植物。
微生物。

そういうものも含めて、
この土地の環境です。

 

家は、
自然に勝つための装置ではなく、
この土地に静かに住まわせてもらうための
器なのかもしれません。

この高床の家には、
そんな考えも少しだけ込めています。